【会員限定】獣医師セミナー「チンチラに多い疾病と緊急時の対処法」開催レポート

獣医師セミナー「チンチラに多い疾病と緊急時の対処法」

【開催日時】2026年1月31日(土)20:00~22:00

【講師】もねVets.science 獣医師 伊藤 嘉浩 先生(獣医師・医学博士)

【進行】理事長 前川桂子

【会場】オンライン開催(Zoom)

セミナー開催の背景

本セミナーは、協会に寄せられる緊急相談の中で、
「急病や怪我に気づいたとき、病院に行くまでの間に、飼い主ができることはないのか」
という声が複数寄せられていたことを受けて企画したものです。

チンチラは夜間に活動することも多く、病院が開いていない時間帯に体調の異変や怪我に気づくケースも少なくありません。
そのような状況で、正しい知識がないことが、かえって不安や混乱につながってしまうこともあります。

本セミナーでは、受診を前提としたうえで、
緊急時にどのような点に注意し、どのような判断をすべきか、
そして「迷ったときに飼い主が一人で抱え込まないための視点」を持つことを目的としました。

セミナーの構成

本セミナーは二部構成で行われました。

前半(約1時間半)は講義形式とし、チンチラに多い疾病や外傷、緊急性の判断について、症例写真を交えながら体系的に解説していただきました。

後半は、事前に会員(受講者)の皆さまから寄せられた質問に対して、一つひとつ丁寧にご回答いただく時間が設けられ、日常の飼育の中で多くの飼い主が直面しやすい悩みや迷いについて、より具体的な理解を深める機会となりました。

セミナー内容について

講師を務めていただいたのは、獣医師・医学博士(岐阜大学)であり、35年以上にわたり犬猫からチンチラを含むエキゾチックアニマルの診療に携わってこられた、もねVets.scienceの伊藤嘉浩先生です。

セミナーでは、チンチラに多い疾病や外傷について、
症状、手術の様子、術後の経過を含む貴重な症例写真を多数用いながら、
一つひとつ丁寧に解説していただきました。

実際の症例を通して、
なぜその状態が緊急なのか、
どのようなリスクが潜んでいるのか、
判断が遅れた場合に何が起こりうるのか、
といった点が具体的に示され、書籍や一般的な情報だけでは得られない理解につながる内容となりました。

特に、チンチラは体が小さく、不調や痛みを表に出しにくい動物であるため、
「少し元気がない気がする」
「いつもと様子が違う」
といった一見軽く見える変化であっても、体内では深刻な状態に進行している可能性があることが、臨床経験をもとに強調されました。

また、夜間や深夜など受診をためらいやすい時間帯であっても、
緊急性が高いと感じた場合には、自己判断で様子を見るのではなく、
早めに動物病院へ相談・受診することが、結果としてチンチラの命を守ることにつながる、
という一貫したメッセージが繰り返し伝えられました。

セミナー全体を通して、
飼い主の方が抱きやすい迷いや不安に寄り添いながら、
「迷うのは当然であり、判断に悩むからこそ専門家につないでほしい」
という寄り添いの姿勢が印象的で、
「少しでもおかしいと感じたら、まずは獣医師に相談する」
というシンプルで大切な考え方を、改めて共有する機会となりました。

セミナー後のアンケートより

セミナー後のアンケートでは、「今回のセミナー内容は参考になりましたか?」という質問に対して、
回答者全員が「とても参考になった」と回答されています。

特に印象に残った内容としては、
実際の手術や症例写真を用いた説明、
感電や痙攣、消化器疾患など緊急性の高い症例、
そして日頃の観察や食餌管理の重要性について、多くの声が寄せられました。

また、ご自身のチンチラさんの過去の経験と重ねることで、
これまで不明だった症状や経緯について納得できた、
という感想も見られ、
実例を交えた解説だからこそ得られる気づきが多かったことがうかがえます。

全体を通して、
「正しい知識を持つことが、いざというときの判断につながる」
「日頃の観察がどれほど重要かを改めて実感した」
といった声が多く寄せられました。

中には、「このセミナーに参加したくて協会への入会を決めた」という声もあり、
学びの場が飼い主の安心につながっていることを感じさせる結果となりました。

協会からの大切なお願い

チンチラさんの体調や様子について、
「少し様子がおかしいだけかもしれない」
「もう少し様子を見てもいいのではないか」
と迷われる場面も少なくありません。

しかし、チンチラは、体調不良や怪我が表に出にくく、
異変に気づいた時にはすでに状態が進行していることも多いため、
自己判断による様子見が、結果として対応の遅れにつながるケースもあります。

日本チンチラ協会では、
少しでも「いつもと違う」「おかしい」と感じた場合には、
自己判断をせず、まずは動物病院へ相談または受診することを推奨しています。

そのためにも、
日頃から食事量や排便、行動の変化などを観察し、
「いつもの状態」を把握しておくこと、
そして定期的な健康チェックや検診を受けることを大切にしていただきたいと考えています。

正しい知識を持ち、迷ったときには専門家につなぐ。
その積み重ねが、愛チラさんの命と暮らしを守ることにつながります。

ご参加くださった皆さま、そして貴重なご意見・ご感想をお寄せくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。

なお、本セミナーの動画は、後日、会員限定動画セミナーページ にて公開予定です。