チンチラの食事

牧草

チンチラさんの主食は牧草です。牧草には、イネ科の牧草であるチモシー(1番刈り・2番刈り・3番刈り)、アルファルファ、オーツヘイ、ウィートヘイなど、たくさんの種類があり、産地も様々です。牧草を食べることによって、奥歯が削られて不正咬合(ふせいこうごう)の予防にもなりますし、腸のなかで食べ物や毛が詰まったり、ガスが溜まることを防いでくれるとても大切な役割があります。

チンチラさんに適した成分の低カロリー・高繊維質で手軽に入手できる牧草はチモシー(1番刈り)です。

高齢や病気の影響で、チモシー(1番刈り)を食べられない子もいますが、基本的にはチモシー(1番刈り)をメインに与えるのが良いでしょう。摂取量の理想は50g/日以上です。しかし、体格や食欲、好みなどの個体差もありますので、それほど食べられない子もいるでしょう。まずは30g〜40g/日を目指してください。

主食の牧草をどれくらい食べているかは健康に大きく影響しますので、実際の量を把握し、管理することが大切です。牧草フィーダーに入れた量から、お掃除の際に廃棄した量を引いて、実際に食べた量を計ると良いでしょう。

摂取量が少ない子は、たくさん食べてくれる工夫をしましょう。産地によっても違いますし、品種によっても違います。どのチモシーが好きなのか、色々試してみると良いでしょう。また、食欲増進のために香り高いハーブ(ローズマリーやレモングラス)と一緒に保管して香りづけしている飼い主さんもいますし、何種類かの牧草をブレンドして食感や味に変化をつける工夫をしている方もいます。

  • Aさん 1番刈り8割+2番刈り2割
  • Bさん 1番刈り7割+違うメーカーさんの1番刈り2割+オーツヘイ1割

日頃からチンチラさんがどこ産のなにが好きなのか、牧草をたくさん食べているかをよく観察しましょう。

(チンチラさんの主食は「牧草」)

ペレット

ペレット(チンチラ専用固形フード)は、牧草では補いきれない栄養分を補ってくれる副食です。チンチラさんの体や被毛を維持するうえで必要なものですので、成分の適したチンチラ用ペレットを与えましょう。

与える量は、生後半年頃まで(グングンと体重が増える成長期)は体重の3〜5%。それ以降は徐々に減らし、生後1年頃(体重が安定してきた頃)には体重の1〜3%に留め、牧草をたくさん食べてもらうようにしましょう。与える量に3〜5%や1〜3%と幅があるのは個体差があるためです。痩せてしまいやすい子・太りやすい子、毛量の多い子・少ない子、毛足の長い子・短い子、よく動く子・・・。同じ体重でも様々です。一般的なチンチラに比べて、長毛種の子や痩せやすい子は、ペレットを多めに与えると良いでしょう。

ノーマルチンチラさん(生後4ヶ月 400g) 体重の3% 12g/日
長毛種チンチラさん(生後4ヶ月 400g)  体重の5% 20g/日

もう一点気をつけたいことは、牧草との比率です。グングン成長する時期は必要な栄養分も多いですが、基本的にチンチラさんは粗食です。ペレットを食べ過ぎて牧草を食べないようになると、体調不良の原因になりますので困ります。理想としては、牧草:ペレットが9:1。しかし、これは大人のチンチラさんでペレットを体重の1%与えているだけの子なら可能ですが、なかなか難しいです。多くのチンチラさんは牧草:ペレットが8:2か7:3あたりです。最低でも7:3の比率で牧草を食べてもらいたいです。

具体的に数字で表してみると、

例)ノーマルチンチラさん2歳600g
ペレット 体重の1.5%与える場合 9g/日
牧草 牧草:ペレット比率8:2として 36g/日
例)体重が落ちやすくもっと牧草を食べられる子なら
ペレット 体重の2%与える場合 12g/日
牧草 牧草:ペレット比率8:2として 48g/日

このようにその子にあった適量で与えると良いです。


トリーツ

トリーツは、本来は栄養として必要のないものですが、嗜好性が高く喜びます。喜んで寄ってくるのでコミュニケーションツールになります。

チンチラさんは体の構造上、脂質や糖質を上手く分解できず、量によっては体調を崩す原因にもなります。ですので、量や頻度は飼い主さんがしっかり管理してあげてください。甘いものや油分の多いものは稀のご褒美として少量にして、普段のトリーツはハーブや葉っぱ系トリーツにするなど工夫すると良いでしょう。また、お膝に乗る練習などでたくさん必要な時はペレットをトリーツ代わりにして手渡しで与えるようにしても良いでしょう。

(トリーツは飼い主さんとのコミュニケーションツールにも)

【参考】
JCA会員限定公開の記事になりますが、各エリアの支部長さんたちが実際にチンチラさんに与えている「食べ物」について、具体的な商品名や保管方法、あげている量など写真付きで詳しく解説したレポート。

注意すること

人の食べ物は塩分や糖分が多いので与えてはいけません。
(病気の原因となります)(中毒、腸内細胞の破壊、免疫力の低下)

災害など有事の際、物流が止まりお店に商品がなくなったり、通信販売も届かないことがあります。人間の物以上に復旧に時間を要します。焦らなくても良いように、常日頃からチンチラさんの1ヶ月程度の水・食料や用品はストックしておきましょう。