『Chilla-Care(チラケア)』開発の目的

日本ではまだまだ生態や病気の解明が遅れているチンチラの健康管理ができるサービスを開発し、最愛のチンチラと毎日楽しく平和に暮らせる社会を作りたい

一般社団法人日本チンチラ協会では、日本ではまだまだ生態や病気の解明が遅れているチンチラの健康管理ができるサービスを開発し、それとともにチンチラの正しい飼育と健康管理の在り方を多くの飼い主様に普及することを目的として、2019年3月25日~4月26日 にREADYFORのクラウドファンディングに挑戦し、多くのみなさまからご支援・応援いただいたことで、『Chilla-Care(チラケア)』をリリースすることができました。

以下はクラウドファンディングへ『Chilla-Care(チラケア)』開発の目的と協会発足に至った鈴木会長の想いを掲載したクラウドファンディングプロジェクトの記事内容です。


チンチラとの暮らしを守りたい。未解明な飼育方法を確かなものへ

(鈴木理恵 / 一般社団法人日本チンチラ協会)

フワフワな美しい被毛を持ち、可愛い表情やしぐさで楽しませてくれるだけでなく、とても賢くて運動神経抜群な「チンチラ」。ペットショップで見かけることも多くなってきました。

しかし、飼育方法や身体のしくみについては、未解明なことも多く、情報が少ないのが現状です。

そんなチンチラとできるだけ楽しく平和に、一緒に暮らせる環境を作ること。

そこで私たちは、一般社団法人日本チンチラ協会を設立しました。そして、協会会員専用サービス“チンチラ専用健康記録データサービス「Chilla-Care」(チラケア)”を開発します。

毎日の気温や食事や排泄物や気になることを記録していくことで、たくさんの仲間と繋がることができ、なおかつその情報を社会と共有することで、社会全体の認知や意識、サービスを変えていきたいというものです。

たくさんの方が登録すればするほど、まだ全く把握されていないチンチラの飼育頭数の推移もはかることができ、その情報を元にあらゆる開発やサービスへアプローチしていけるのです。

チンチラの認知度が高まりつつある今、その健康を守るための活動が早急に必要です。

チンチラを心から愛するたくさんの飼育者の方と力を合わせて、チンチラの明るい未来を作っていきたい。

そして、大切に飼うために、まだ情報の少ないチンチラの健康管理や社会とのつながりができるしくみを一緒に広げたい。このプロジェクトは、チンチラと飼育者の幸せな生活を守るために、そして一緒に力を合わせて社会全体をよりよいものにしていくための仲間探しでもあるのです。

チンチラは、いまだ、国内での個体数の把握がなされていません。

欧米諸国では、うさぎやモルモットと同じようにブリーダー集団があり飼育書もたくさん出版されています。それらの情報も貴重な情報ですが、高温多湿の日本国内、アジア圏では、通用しない所も多々あるのです。

毎日のお世話の記録を蓄積
チンチラの飼育方法を正しく確立したい

これまで、外来種として日本にやってきたチンチラの正しい飼育法を広げるために、個人で活動をしてきました。

チンチラの飼育が普及していく中で、長年チンチラと暮らしているたくさんの飼育者さんたちの「チンチラにとって少しでもよい環境を作りたい」という熱い思いが後押しとなり、この度正式に協会を立ち上げ、本格的に活動を開始しました。

そして、このクラウドファンディングのプロジェクトをきっかけとして、チンチラと一緒に暮らしている方とつながり、チンチラの生態や飼育の難しさ、今わかる限りの正しい飼育方法などの啓発に力に注いでいきたいと思っています。

チンチラの歴史や飼育についての日本と海外の文献をできるだけ多く読み、参考にしました。ただし、今の日本での、そしてこれからの日本におけるチンチラの飼育を考えるにあたり、新しい感じ方と感性が必要だと感じました。まずは、今、日本にいるチンチラの傾向と対策を立てるために、日本のあらゆるルートの情報を集め、24時間365日チンチラの前で生活をし、ほとんど寝ずに観察し頭と体に記録していきました。

そして、今まで曖昧だった飼育方法を、「まずはこれがチンチラ飼育に最低限必要な条件です」ということをイベントなどを通して発信してきました。

この5年ほどで急激にペットとしての資質の高さが非常に注目を集め、飼育者数は急激に増加している傾向にあります。しかし、チンチラの飼育方法が確立されていない上に、基本的な環境づくりや管理も周知されていないことが大きな問題点となっています。

チンチラの獣医学もこれから発展していくだろうという段階です。

その中で私たちができることは、まずは飼育者である私たちが、自らのチンチラの毎日のお世話の記録から得られる基本的な情報を蓄積・提供することで、今後の飼育方法や飼育技術の向上、獣医学への貢献へつなげていくことではないでしょうか。

チンチラ専用の健康記録システム

チンチラ専用健康記録『Chilla-Care』を開発し、そして、チンチラの健康管理を正しく広げていくために、全国でイベントを開催して行きたいと思います。

健康管理アプリの活用が広がることで、チンチラの生態解明へつながる情報が蓄積されます。

飼育経験の長い短い関係なく、長く一緒にいられる環境を作るための情報です。

それにより、ブリーダーや、関連メーカー、獣医師の先生方、そして飼育者に必要な要件がさまざまな立場のもとに検証、再確認、改善がなされていくものと思います。

あなたのチンチラさんを守れるのは、あなただけ。

協会としては、アプリを開発することが目的ではありません。あくまでも、飼い主自身が自分達のチンチラの状況や変化をきちんと見極める。さらに、病気や不調で病院に行ったときにも記録したデータを獣医師とともに確認することで、傾向や対策を立てることも可能になると考え、アプリの開発を行いたいと考えました。

まだまだ変化していくことも多いと思いますが、それらのデータをまずは会員たちが共有する。そして次のステージには獣医の先生方にもそれらのデータの感想を共有して、さらにより良いものへと変化していくべきだと思っています。

動物を飼育する上で一番大切なことは、「自分の動物を守ってあげられるのは自分だけ」ということです。特に、まだまだ生態が不明瞭で、飼育方法も獣医療も確立されていないチンチラに関しては、なおさら飼い主の愛と責任で守られるのだと思います。

そのため、日々の観察の中で、ほんのささいな変化や不良に気づいてあげること、それが一番大切な健康管理だと考えます。そして、毎日コツコツと積み上げた情報が、いずれ発展途上の飼育方法や獣医療へ貢献できるだろうと考えるのです。

私が、チンチラという動物と向き合う決意を固めて数年間は、同じ条件で飼育するチンチラを時間帯を分けてただひたすら毎日見つめ続け、変化を見落とさず、変化があった時の条件を見比べるという方法をとりました。そのときはもちろん専用のアプリなどはありませんでしたから、体重管理ですら、自家製の記録用紙やメモであったわけです。その記録や集計、振り返りが、一番面倒で、時間のかかるものでした。そして、続けること、記録していくこととの闘いのような日々でした。

それが、たくさんの人が同じものを使用し、同じように考えながら、一緒に記録をしている状態が生まれる。

「今日も記録したよ」「私も!」というようなコミュニケーションも生まれるかもしれない。

そして、もしかすると、たった今のその記録が誰かの役にたつかもしれないと思えると続けることが楽しくなるかもしれません。

ほとんどの人が「まさか自分のチンチラが大病をするわけがない」と心のどこかでそう信じて疑わないため、「毎日の記録をつけましょう」と呼びかけでも、実際に実行する人は少ないのです。それを、「まずは協会会員全員でやってみましょう、その結果はきっと未来のチンチラへの大きな記録となるはずです!」という呼びかけによって、楽しい毎日の日誌になるかもしれません。

そして、それがチンチラを守り愛することになり、日本中のチンチラをも守ることにつながると私は信じます。

「最愛のチンチラと毎日楽しく平和に暮らしたい。」

それはチンチラと暮らす者にとっては、当たり前のように心から望んでいることです。

それでも、愛すれば愛するほど、日々不安は募り、自分の飼育方法に自信がもてない方も多いものです。

絶対飼育数が少ないがために、困った時に相談する先や同じような想いを共有する場所がなく、サービスが追いついてきていません。

協会では、そういった飼育者個人を支えていく生涯のサービスはもちろんのこと、社会全体のシステムに対する提案などを提供しつつ、日本におけるチンチラのあり方を会員のみなさんと一緒に考えて対策を立てていきたいと考えています。

愛するチンチラとのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)が向上するように。不幸なチンチラが1匹でも減るように。

それこそが、私がこの一般社団法人日本チンチラ協会を立ち上げた心の奥底からの想いです。

愛するものとはできるだけ長く一緒にいたい。

でも、振り返ってほしいことは、その長さの競い合いではなく、その時間がどのくらいお互いにとって満たされていたかどうか。それがとても大切であることを発信しつづけたいと思います。

チンチラの魅力発信に加えて、正しい飼育法を広げていく。

チンチラの安全な社会を作るための啓発に力を注いでくれる後継者を一人でも多く作ることによって、健全なる飼育者が増えることを目指します。チンチラの幸せな未来を、みなさんと一緒に創っていきたいのです。


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