JCAの新たな活動理念(2024)

●2019年設立以来から5年間の協会の歩み

一般社団法人日本チンチラ協会は “ 最愛のチンチラと毎日楽しく平和に暮らせる社会をつくる ” ことを理念とし、2019年1月31日の設立以来歩んでまいりました。

年々増えていくチンチラ飼育者の方々をサポートし、困ることなく終生飼育してもらえるよう飼育方法の啓発やチンチラに関する様々な情報提供を行い、又、まだ十分には解明されていないチンチラの生態をより知るために会員の皆様と共に飼育データの蓄積を行ってきました。

具体的には、

などを中心に活動してまいりました。

そして、これまで たくさんの方々に参加いただき皆様のチンチラ飼育に関する考え方や意識はかなり変わり高まっていると実感しております。


●防災意識への高まり

その中で、2020年より災害時対策として防災勉強会や防災セミナーも実施してまいりました。

災害大国である日本では、地震をはじめ台風やゲリラ豪雨による停電や冠水も頻発し、地球温暖化の影響もあり今後も被害がなくなることはないと考えられるからです。

その活動のなかで多くの声や反応をいただき感じてきたことがあります。

今年はじめの能登半島地震でも問題になっておりましたが、災害時のペット問題です。

ペットを飼育されている方々の避難所入室を断られたり、申し訳ない、嫌がられるからと避難を断念し危険な状態の住居や敷地内の倉庫やビニールハウス、車中で生活をするなど避難生活はペットやその飼育者にとって厳しい一面があります。

自治体によってはペット同伴専用エリアを設け室内の足を伸ばせる環境で避難できる場合もありますが、まだまだごく一部です。

特にチンチラのように温湿度管理を要する動物にとって災害時は命の危機です。

そういった事への不安や諦めの声をたくさん聞いてきました。

チンチラが対応できる気候や数日間の停電や断水であれば、なんとか命を繋ぐことは可能でしょう。

しかし40℃を超える真夏や0℃を下回るような真冬に野外同然の環境で生きることは実際問題チンチラにとって厳しいです。飼育者だけで愛チラさんの命を守り抜く難しさを痛感いたしました。


●啓発普及活動から助け合うことのできる活動へ

設立当初よりチンチラの適正飼育に関する啓発活動を中心に活動してまいりましたが、チンチラ飼育に関する意識が高まり基本知識も普及した今、私たち一般社団法人日本チンチラ協会は新たな活動理念を掲げ、次のステージへ進むことを決めました。

《JCAの新たな活動理念》

みんなで守ろう、助け合おう

飼育者本人だけで守れないチンチラがいるならば、みんなで守ろう。これからの一般社団法人日本チンチラ協会は、これを理念に飼育者の皆様やチンチラを守ることにより力を入れた次のステージへ歩んでいきたいと思います。

もちろん、飼育相談や各種セミナーなど今まで主としてきた活動を無くすわけではありません。

しかし、以前よりもチンチラに関する知識や技術をもった飼育者は確実に増え、飼育方法の情報交換をする場も増えました。

普段の生活におけるサポートを必要とする方よりも緊急時の対策を求める方が増えているように感じています。

そこで今後は更に一歩進み、『もしもの時』に備えた活動により力を入れていくことといたしました。

災害時だけではありません。

近年、ロストや遺棄と思われる屋外で見つかるチンチラが増えています。また、飼育者の長期入院や死によって行き場をなくすチンチラもいます。

飼育者だけで解決できないことや飼育者の居ないチンチラが増えている現状があります。

そのような『もしもの対策』として、防災やレスキューに力を入れたいと思います。

これは、一般社団法人日本チンチラ協会設立当初より掲げている活動内容にも含まれているのですが

『もしも大きな災害で被災したら・・・』
『もしも飼育者が急死したら・・・』
『もしも長期入院を余儀なくされたら・・・』
『もしもチンチラを逃してしまったら・・・』

など、もしもの事態が起こった時は、みんなで助け合いチンチラの命を守ろう!という取り組みです。

レスキューをはじめ、今後共に助け合い大切な命を託すかもしれない会員様同士の交流を目的とした懇親会、終生飼育をサポートする為のセミナーなど様々な活動を予定しています。

この取り組みは、自身が困った時に助けてもらうためだけのものではありません。

『もしもの時はチンチラを預かれる人』(一時保護宅)
『もしもの時はチンチラや物資の移動や運搬を行える人』(搬送ボランティア)
『もしもの時はチンチラを探しに行ける人』
『もしもの時は物資を提供できる人』

など、様々な助け合い活動があります。

そして、実際に行動することはできなくても『自身のSNSで情報を発信できる人』、会費として『活動(運営資金)を応援する人』。

このような方々の集まりであり、誰かに何かあった時は助け、万が一自身に『もしも』が起こった時は助けてもらう。そういったネットワークの構築を目指しています。


●47都道府県で助け合えるコミュニティを目指して

最終目標としましては、日本全国のどこで困っている飼育者やチンチラがいても助けられることです。

例えば、三重県で助けが必要なチンチラがいるとします。

その場合は三重県や隣県の奈良県・滋賀県・愛知県で預かって貰ったり、そこで預かりが難しい場合でも移動や運搬をして下さる方が居れば引き継ぎながら移動させ、富山県で預かってもらうなどが可能となります。

日本全国に会員様がいれば、このように救う術が増えます。

災害大国の日本ですから、とてつもなく大きな地震 南海トラフ巨大地震が起きたら太平洋側の広い範囲で家屋の倒壊や津波、停電が起きるでしょう。被害予測では家屋の倒壊や津波により30万人以上の方が命を落とすと言われています。

大都市東京でも、首都直下型地震が懸念されています。被害予測では、全壊家屋は約17万5千棟。倒壊による死者は最大1万人以上。

どこで誰に『もしもの時』がやってきてもおかしくない状況なのです。

より多くのチンチラと飼育者の方々を助けるためには、より多くの方々の力が必要です。

日本全国、できれば47都道府県全てに会員様がいて助け合えるコミュニティにしたいと考えています。


(1)助けが必要な会員様から協会に連絡が入る
 ↓
(2)リアルタイムで迅速に連絡が取れるSNS(承認制のLINEオープンチャットなど)を活用して全国の会員様にお知らせ
 ↓
(3)担当スタッフと活動に参加できるメンバーがSNSで打ち合わせ、レスキューを実行(※必要な場合、用品やフードなどの支援物資を募り、エリアの中心メンバー宅に集める活動なども検討)
 ↓
(4)預かりサポーター宅で預かり飼育
 ↓
(5)一時預かり後、落ち着いたら飼育者に戻す
または里親募集をして命を繋ぐ

全国に会員様がいれば、このような活動も可能になってくると考えています。


もしもの事態が起こった時、愛チラさんの命を確実に繋げるよう予め託す先の登録をしたり、一時預かりなどサポートする側も講習を受けてもらうなど安心して預けることができる体制を整えたりも必要になるでしょう。

そういった、“ こんな仕組みがあるといいな ” という意見も会員の皆様と共有し話し合い、よりよい活動をみんなで作り上げていきたいと思っております。

当面の活動としましては、助け合う仲間同士の繋がりを大切に懇親会を開催したり、上記のような意見交換会、連携の取り方を決めたりと『もしもの時』に備えた体制づくりが中心になるかと思います。

併せて迷子情報などを発信し助けに行ける方へ繋いだり、実際にレスキューに向かえる方のいる地域であれば協会としての活動も行えるかと思います。

まずは人員が必要なので、このような活動に賛同してくださる方、一緒に活動してくださる方を募集致します。

みんなで困っているチンチラを守り、自身に何かが起こるもしもの時に備えて助け合いませんか?一人でも多くの方が参加していただけることを心より願っております。

(2024/06/10)